PDFを製本する

2016-09-13

概要

電子書籍のPDFファイルを、A4のプリンターで、A5版の本に製本するやりかたのメモ。

きっかけ

Linux Device Drivers (オライリー or LWN) という本がある。 リンク先を見てもらえばわかる通り、この本は全文が無償で公開されている。 ただ、印刷して紙の本にする用のPDFなので、パソコンではちょっと読みづらいし、ちょうどいい大きさのタブレットも持っていないので、どうせなら製本してしまおうと思い立った。

方法

使うもの

手順

まず必要なものをインストールする。 Gentooなら、

emerge app-text/pdftk app-text/pdfjam

pdftkはGCJを利用したソフトウェアなので、環境によっては何かエラーが出るかもしれない。

次に、今回扱うLDD3のファイルをダウンロードする。 LWNに置いてあるtarballはなぜか About the Authors/Colophon の部分が欠けているので、オライリーのページからダウンロードする。

wget https://lwn.net/images/pdf/LDD3/ldd3_pdf.tar.bz2
tar xvf ldd3_pdf.tar.bz2
cd ldd3_pdf
wget http://www.oreilly.com/openbook/linuxdrive3/book/AUTHOR.COLO.pdf

ファイルがバラバラでは面倒なので、1つにまとめてしまう。

cat > filelist.txt << EOF
TITLE.pdf
COPYRIGHT.pdf
ldr3TOC.fm.pdf
AUTHOR.COLO.pdf
ch00.pdf
ch01.pdf
ch02.pdf
ch03.pdf
ch04.pdf
ch05.pdf
ch06.pdf
ch07.pdf
ch08.pdf
ch09.pdf
ch10.pdf
ch11.pdf
ch12.pdf
ch13.pdf
ch14.pdf
ch15.pdf
ch16.pdf
ch17.pdf
ch18.pdf
biblio.pdf
ldr3IX.fm.pdf
EOF
pdftk `cat filelist.txt` cat output cat.pdf

このPDFファイルにはトンボがついているので、削る。

pdfcrop --margins -58 cat.pdf crop.pdf

A5版で製本するため、A4の紙8枚=32ページで一束のpdfをつくる。 ただ、この本は636ページなので、最後だけ28ページで一束にする。

pdftk A=crop.pdf cat A1-608 output 1-608.pdf
pdftk A=crop.pdf cat A609-636 output 609-636.pdf
pdfjam --booklet false --signature 32 --landscape 1-608.pdf -o book1.pdf
pdfjam --booklet false --signature 28 --landscape 609-636.pdf -o book2.pdf
pdftk book1.pdf book2.pdf cat output book.pdf

印刷する。長辺綴じの設定で両面印刷すればいいが、うちのプリンターにはそんな機能はないので、奇数ページをまとめて印刷したあと、トレイの用紙を長辺方向を軸に裏返してシートフィーダーにセットし、偶数ページを印刷する。 うちのプリンターは詰め替えインクを利用していて、途中でインクがなくなるので、少量ずつ印刷する。

lp -o page-ranges=1-16 -o page-set=odd -o fitplot -o media=a4 -o PageSize=A4 -o OutputType=Grayscale book.pdf
lp -o page-ranges=1-16 -o page-set=even -o fitplot -o media=a4 -o PageSize=A4 -o OutputType=Grayscale book.pdf

これを最後のページまで続け、8枚ずつまとめて折り、ホチキスで束ねる。 ダイソーとかで売ってる中綴じ用のホチキスを使うと便利。 束ごとに小口を化粧裁ちして、背を万力で押さえ、木工用ボンドで適当な紙に貼り付ける。

厚紙で適当に表紙を作れば完成。 非常に安上がりに本が手に入るので(今回は200円ぐらい)、皆さんもやってみてはいかがでしょうか。